渡辺くん、こっちを向いて【2】 (ページ3)

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52話ページ3

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「そっか、そうだよね〜」

必死に顔に笑顔を貼り付けて返事をした。
ズキズキ。心にトラックでもぶら下がってるんじゃないかと思うほどの心の重さに耐えて、泣きそうになる顔を必死に取り繕う。

「みんなで行くってなってたから、渡辺くんも行けるのかなって。それだけ」
「そっか、ごめんねマジで。また今度みんなで遊びに行こ」

私、上手く笑えてるのかな。分かってたことなのに、現実を突きつけられるとこんなにも苦しいんだね。
だめだめ。泣いたら絶対にだめ。

「おー、おかえり。なんかやってたの？」

ちょうどいい所で、深澤くんが声をかけてくれた。

「お、Aちゃん！おっちー」

と佐久間くんが明るく挨拶をしてくれるのに合わせて、必死に泣きそうなのがバレないように拳に力を込めた。

夏祭り、いつも通りに振舞っていられるか不安だ。