絆の世界11

こちらの末っ子(短編) ページ28

side 阿部

別に俺だって勉強の事で怒りたくないんだよ。
ただ、やっぱり約束守らないのは違うし努力しないのはダメでしょ。

「ラウ、約束でしょ。貸しなさい。」

今日は土曜だからシェアハウスに来てるラウール。
でもさ月曜から定期試験なんだよね。
一応事務所も配慮してくれるからテスト前は仕事量減らしてくれてるし本当は自宅で勉強する方が良いのに、こっちに泊まりたいらしい。

ふっか達にも自宅の方が勉強出来るだろって言ってたんだけど「阿部ちゃんに教えて貰えるから。」って尤もらしい理由をつけて来てる。

でもそんな理由をつけたもんだから、昨日今日は俺と翔太入れ替わって俺がラウと同室なの。

「ラウ勉強するよ！」
そう言ってもなかなか始めなくて何回も声を掛けてたの。
そしたら渋々始めたんだけど、調べごとするって言ってスマホ触り出したと思ったらずっとネットサーフィン始めたの。

「ラウ、いい加減にしな。次スマホ触ってたら取り上げるから。なんか調べごとするなら俺が調べる。」
そう言ったんだけどね。

マネージャーからの電話でちょっと廊下出て戻って来たらガッツリスマホでゲームしてんだもん。
もうアウトでしょ。

貸しなさい。って言っても
「ヤダ！」って言って手から離さない。
これはもうダメかな。

「ふっかー照ぅ、ちょっと来て！！」
「えっヤダ！呼ばないで！」
ラウ急に慌てるけど
「なに？」「どうした？」って2人も直ぐに部屋に来た。

「ラウ、もう家連れて帰って。」
俺が言うと2人とも嗚〜呼って顔。

「やだー！」ラウは涙声。
「ラウ、何したの？」
ふっかがラウの前に移動して聞く。

「…げーむ…。」
って俯いて言うけど
「それだけじゃないでしょ！」
俺がそう言うと
「…あ、べちゃんに、わたさなかった…」って。

「約束だったんだろ？じゃあ阿部にスマホ預けなさい。それ出来ないなら連れて帰るぞ。」
照が言うと、涙目で俺にスマホを差し出した。

「ん、じゃあ勉強頑張るよ。」
そう言って頭を撫でるとコクンって頷いた。

「じゃあな、ラウ頑張れよ！」
ふっかと照はそう言って部屋を出て行った。

よし！じゃあラウの隣で俺もクイズの勉強頑張ろうかな。



…………

SnowMan邸の末っ子ちゃんのお話でした。
かなり短めですが…

そして次回からちょっと厳しめのお話スタートです。
長めなので前後半で分ける予定です。

コメントお待ちしてます。

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